東京都では、行政が保有するデータを、機械判読可能な形式、二次利用可能なルールにより公開することで、行政の透明性や住民サービスの向上等を目指すオープンデータの取組を推進しています。
今年も、9月~10月に、ITに関する知識を問わず、様々な参加者によるグループディスカッションを通じて、オープンデータを活用した行政や地域の課題解決策やアプリのアイデアを生み出す「東京都オープンデータアイデアソン」を都内3地域で開催しました。
ここでは、その各開催の様子について、イベントレポートとして報告します。



≪庄司氏≫
オープンデータとは、「誰もが、どんな目的でも、自由に使用・編集・共有できる公共データ」であり、その特徴であるルール面・技術面・入手方法の面での使い易さと、社会の透明性向上やみんなで社会を作っていく機運醸成、新しいサービスの創造を含めた経済活性化など、その公開目的が紹介されました。
また、オープンデータは、行政による「公開資料」ではなく、誰もが自由に使える「開放資料」であるとして、「みんなが自由に使えるデータ・資料が世の中で豊かになっていくことは、何もない状態と比較して、様々なことがしやすくなると考えています。今回のイベントでは、そうした視点からスポーツを通じた健康づくりやコミュニティづくりについて、考えていって欲しい。」、と話がありました。

続いて、1日の進め方について、大まかな流れが説明された後、参加者に対するアイデアを生み出す際のアドバイスとして、「データは掛け合わせることでその価値が高まります。東京都などで現在公開しているオープンデータと、他の企業が持つデータや今は存在しないがこんなデータがあったら良いなぁ、といったアイデアに基づくデータなど、いくつかのデータを組み合わせるとこんなことができるよね、という視点でアイデアを考えていくことが、真に新しいものを生み出す際のヒントになると思います。」という話がありました。
最後に、「アイデアソンは、アイデアとマラソンを掛けた、アイデアを生み出すためのスポーツです。ぜひ今日は、オープンな気持ち、この場を楽しむ気持ちで一日取り組んでいただければと思います。」と締めくくりました。


≪野川氏≫
野川氏の専門は、「スポーツマネージメント」、スポーツの価値をどう最大化していくかについて、長らく研究しています。
そうした専門分野での知見や経験を踏まえつつ、今回は、プロスポーツやオリンピック・パラリンピックといった「エリートスポーツ」ではなく、多くの方の日常生活に根付いた健康活動やレクリエーション活動といった「生涯スポーツ」に軸を置いて、話が進みます。
「生涯スポーツは、いつでも・誰でも・どこでも・いつまでも参加できるスポーツや身体活動であり、個人の健康はもちろん、“社会(地域)の健康”をつくることにもつながっていきます。」
「生涯スポーツは、社会の流れにとても敏感です。エリートスポーツは、勝ち負けやその結果に応じて、一時的な盛り上がりが生まれますが、恒常的な人々の健康や地域社会の連帯にはつながりにくい。一方で、生涯スポーツは、取り組む人の健康やQOLの向上、地域社会のつながりを醸成する力があります。」
「テクノロジーが発達するほど、人間関係や地域社会のつながりは弱まっていきます。そして、それを打ち破る方法として、音楽等とともに、スポーツが挙げられます。」
そして、「個人で取り組むスポーツ」とともに、コミュニティを再生するためには、地域スポーツクラブ等の「みんなで一緒に取り組むスポーツ」が重要な役割を果たすとして、スポーツが持つ機能や役割の一端について、海外の研究や取組等を踏まえて説明されました。

また、「少子高齢化が進む中、人々の健康寿命を延ばし、不健康年数をどうやって減らしていくか言われ続けています。そのためには、どうやってスポーツ・運動をしてもらうか、その機会をつくり出していくかが重要です。それには、スポーツをしなさい!!と、運動を推奨する、それだけではちょっと難しい。先ほど庄司先生がお話ししたように、 “スポーツ×●●●” 、スポーツと何かを掛け合わせ、取り組むということを考える必要があると思っています。」
「都民のスポーツ実施率は58.3%と、国内の平均よりも高い。意外と都民はよく動いているんですね」、「スポーツ実施率が低いのは20代~40代の若い働き盛りの世代です。この世代にどうスポーツに取り組んでもらうか、大きな課題であり、その効果も大きいのではないでしょうか。」といった、データに基づく情報や課題の捉え方について、参加者へ情報提供されました。
そして、最後に、「なぜ多くの方はスポーツをできない・しないのかを見てみましょう。まずは、忙しくて”時間”がない。そして、学生時代のように好きな時にすぐ一緒できる”仲間”と”場所(空間)”がない。いわゆる“3間”がない状態が、アンケートからも垣間見えます。」、「この“3間(時間・仲間・空間)”をどうするかについて、是非アイデアを考える際の視点の一つにしてみてください。」と、参加者へアドバイスがされました。

以降、参加者は、テーマに関する目的別に分かれて、それぞれの会場へ移動し、班ごとにグループディスカッションを進めていきます。

グループ2)
『スポーツを通じて、仲間づくりや地域の多様な人々と交流を図ること』が、
◎ Code For Fuchu 斎藤 氏
◎ オープンデータカフェ稲城 杉山 氏 の2名です。

まずは、進行補助員の司会進行のもと、参加者はあらかじめ割り振られた班に分かれて、テーマであるスポーツや運動する上での課題や、“こうなっていたら良いな”という思いを黄色の付せん紙に書き出していきます。
進行補助員からは、「「こうなっていたら良いよね」という黄色い思いがたくさん色付いていくほど、この後のアイデアがより鮮明で、具体的、かつ魅力的なものになっていくと思います。」や、「知識のインプットで野川先生からお話が合った、“3間”などについて、自分だったらどうだろうと、自分事として置き換えて考えると、アイデアが少しずつ出始めると思います。そして、より具体的に表現できると、この後の解決に向けたアイデアも生まれやすくなるはずです。とにかく、今は発散のタイミングです。」といったアドバイスが入ります。

続いて、ある程度書き出しが進んだところで、自己紹介を兼ねて、各メンバーの思いついた課題等を大きな模造紙に張り付けていきます。
その後、貼り出された黄色い付せん紙(課題)の共通点を探す作業(グルーピング)と、それを総称する名称を検討しながら、各班のディスカッションは進んでいきます。

各班、グルーピング作業によりまとめた課題を踏まえ、今日一日をかけて解決に向け話し合っていく課題を決定していきます。
班によっては、1つの課題だけでなく、複数の課題を掛け合わせて取り組もうとするなど、班ごとの特徴も現れ出しました。


