★イベントレポート★ 東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2018

東京都では、行政が保有するデータを、機械判読可能な形式、二次利用可能なルールにより公開することで、行政の透明性や住民サービスの向上等を目指すオープンデータの取組を推進しています。 今年も、9月~10月に、ITに関する知識を問わず、様々な参加者によるグループディスカッションを通じて、オープンデータを活用した行政や地域の課題解決策やアプリのアイデアを生み出す「東京都オープンデータアイデアソン」を都内3地域で開催しました。 ここでは、その各開催の様子について、イベントレポートとして報告します。

東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2018 in 府中市

  • 日時
    平成30年9月17日(月・祝)
    10時00分~17時00分
  • 会場
    府中市市民活動センタープラッツ(府中市開催)
  • 協力・参加自治体
    (協力):府中市
    (参加):日野市・稲城市

東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2018 in 大島町

  • 日時
    平成30年9月29日(土)
    平成30年9月29日(土)
  • 会場
    大島町開発総合センター(大島町開催)
  • 協力自治体
    大島町
    ※台風の影響により中止

東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2018 in 港区

  • 日時
    平成30年10月14日(日)
    10時00分~17時00分
  • 会場
    グランパークカンファレンス(港区開催)
  • 協力・参加自治体
    (協力):港区
    (参加):新宿区・文京区・大田区

東京都オープンデータアイデアソンキャラバン2018 in 府中市

  • 日時
    平成30年9月17日(月・祝)
    10時00分~17時00分(開場9時30分)
  • 会場
    府中市市民活動センタープラッツ
  • テーマ
    「スポーツを通じて、人もまちも輝く東京へ」
    (グループ1)
    『スポーツを通じて、誰もが心身の健康維持や増進を図ること。』
    (グループ2)
    『スポーツを通じて、仲間づくりや地域の多様な人々と交流を図ること。』

≪開催にご協力いただいた方々の紹介≫

□ 全体進行

  • 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授  庄司昌彦 氏

□ 知識のインプット担当

  • 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科特任教授  野川春夫 氏

□ 各グループのファシリテータ担当(進行補助員)

  • CodeForFuchu  小林広和 氏
  • CodeForFuchu  斎藤善寛 氏
  • CodeForJapan  塚原昌代 氏
  • オープンデータカフェ稲城  杉山恵理 氏

□ 開催自治体・参加自治体

(協力:開催自治体)
  • 府中市行政管理部情報管理課長  大沢力 氏
  • 府中市文化スポーツ部スポーツ推進課長  矢部隆之 氏
(参加:参加自治体)
  • 日野市総務部情報システム課長  高橋登 氏
  • 日野市産業スポーツ部文化スポーツ課長  秦広一 氏
  • 稲城市総務部情報管理課長  山田雄一郎 氏
  • 稲城市企画部企画政策課長  小澤一浩 氏

 

≪プログラム進行≫

◇「オープンデータとは」、「本日の進め方」

全体進行を務める庄司氏による、『オープンデータ』に関する基礎知識と、イベント1日の進め方に関する説明からアイデアソンが始まります。 まずは、庄司氏の呼び掛けで、軽いストレッチと近くの参加者同士でのハイタッチが促され、参加者の緊張がほぐれ、それぞれの顔にも笑顔が戻ってきました。 ≪庄司氏≫ オープンデータとは、「誰もが、どんな目的でも、自由に使用・編集・共有できる公共データ」であり、その特徴であるルール面・技術面・入手方法の面での使い易さと、社会の透明性向上やみんなで社会を作っていく機運醸成、新しいサービスの創造を含めた経済活性化など、その公開目的が紹介されました。 また、オープンデータは、行政による「公開資料」ではなく、誰もが自由に使える「開放資料」であるとして、「みんなが自由に使えるデータ・資料が世の中で豊かになっていくことは、何もない状態と比較して、様々なことがしやすくなると考えています。今回のイベントでは、そうした視点からスポーツを通じた健康づくりやコミュニティづくりについて、考えていって欲しい。」、と話がありました。 続いて、1日の進め方について、大まかな流れが説明された後、参加者に対するアイデアを生み出す際のアドバイスとして、「データは掛け合わせることでその価値が高まります。東京都などで現在公開しているオープンデータと、他の企業が持つデータや今は存在しないがこんなデータがあったら良いなぁ、といったアイデアに基づくデータなど、いくつかのデータを組み合わせるとこんなことができるよね、という視点でアイデアを考えていくことが、真に新しいものを生み出す際のヒントになると思います。」という話がありました。 最後に、「アイデアソンは、アイデアとマラソンを掛けた、アイデアを生み出すためのスポーツです。ぜひ今日は、オープンな気持ち、この場を楽しむ気持ちで一日取り組んでいただければと思います。」と締めくくりました。
 

◇知識のインプット

続いて、野川氏から、開催テーマである『スポーツ』について、知見や経験を踏まえた説明がありました。 ≪野川氏≫ 野川氏の専門は、「スポーツマネージメント」、スポーツの価値をどう最大化していくかについて、長らく研究しています。 そうした専門分野での知見や経験を踏まえつつ、今回は、プロスポーツやオリンピック・パラリンピックといった「エリートスポーツ」ではなく、多くの方の日常生活に根付いた健康活動やレクリエーション活動といった「生涯スポーツ」に軸を置いて、話が進みます。 「生涯スポーツは、いつでも・誰でも・どこでも・いつまでも参加できるスポーツや身体活動であり、個人の健康はもちろん、“社会(地域)の健康”をつくることにもつながっていきます。」 「生涯スポーツは、社会の流れにとても敏感です。エリートスポーツは、勝ち負けやその結果に応じて、一時的な盛り上がりが生まれますが、恒常的な人々の健康や地域社会の連帯にはつながりにくい。一方で、生涯スポーツは、取り組む人の健康やQOLの向上、地域社会のつながりを醸成する力があります。」 「テクノロジーが発達するほど、人間関係や地域社会のつながりは弱まっていきます。そして、それを打ち破る方法として、音楽等とともに、スポーツが挙げられます。」 そして、「個人で取り組むスポーツ」とともに、コミュニティを再生するためには、地域スポーツクラブ等の「みんなで一緒に取り組むスポーツ」が重要な役割を果たすとして、スポーツが持つ機能や役割の一端について、海外の研究や取組等を踏まえて説明されました。 また、「少子高齢化が進む中、人々の健康寿命を延ばし、不健康年数をどうやって減らしていくか言われ続けています。そのためには、どうやってスポーツ・運動をしてもらうか、その機会をつくり出していくかが重要です。それには、スポーツをしなさい!!と、運動を推奨する、それだけではちょっと難しい。先ほど庄司先生がお話ししたように、 “スポーツ×●●●” 、スポーツと何かを掛け合わせ、取り組むということを考える必要があると思っています。」 「都民のスポーツ実施率は58.3%と、国内の平均よりも高い。意外と都民はよく動いているんですね」、「スポーツ実施率が低いのは20代~40代の若い働き盛りの世代です。この世代にどうスポーツに取り組んでもらうか、大きな課題であり、その効果も大きいのではないでしょうか。」といった、データに基づく情報や課題の捉え方について、参加者へ情報提供されました。 そして、最後に、「なぜ多くの方はスポーツをできない・しないのかを見てみましょう。まずは、忙しくて”時間”がない。そして、学生時代のように好きな時にすぐ一緒できる”仲間”と”場所(空間)”がない。いわゆる“3間”がない状態が、アンケートからも垣間見えます。」、「この“3間(時間・仲間・空間)”をどうするかについて、是非アイデアを考える際の視点の一つにしてみてください。」と、参加者へアドバイスがされました。 以降、参加者は、テーマに関する目的別に分かれて、それぞれの会場へ移動し、班ごとにグループディスカッションを進めていきます。
 

◇チームビルディング

参加者のグループ活動について、ファシリテータとしてサポートする「進行補助員」は、 (グループ1) 『スポーツを通じて、誰もが心身の健康維持や増進を図る』が、 ◎ Code For Fuchu 小林 氏 ◎ Code For Japan 塚原 氏 の2名です。 グループ2) 『スポーツを通じて、仲間づくりや地域の多様な人々と交流を図ること』が、 ◎ Code For Fuchu 斎藤 氏 ◎ オープンデータカフェ稲城 杉山 氏 の2名です。 まずは、進行補助員の司会進行のもと、参加者はあらかじめ割り振られた班に分かれて、テーマであるスポーツや運動する上での課題や、“こうなっていたら良いな”という思いを黄色の付せん紙に書き出していきます。 進行補助員からは、「「こうなっていたら良いよね」という黄色い思いがたくさん色付いていくほど、この後のアイデアがより鮮明で、具体的、かつ魅力的なものになっていくと思います。」や、「知識のインプットで野川先生からお話が合った、“3間”などについて、自分だったらどうだろうと、自分事として置き換えて考えると、アイデアが少しずつ出始めると思います。そして、より具体的に表現できると、この後の解決に向けたアイデアも生まれやすくなるはずです。とにかく、今は発散のタイミングです。」といったアドバイスが入ります。 続いて、ある程度書き出しが進んだところで、自己紹介を兼ねて、各メンバーの思いついた課題等を大きな模造紙に張り付けていきます。 その後、貼り出された黄色い付せん紙(課題)の共通点を探す作業(グルーピング)と、それを総称する名称を検討しながら、各班のディスカッションは進んでいきます。 各班、グルーピング作業によりまとめた課題を踏まえ、今日一日をかけて解決に向け話し合っていく課題を決定していきます。 班によっては、1つの課題だけでなく、複数の課題を掛け合わせて取り組もうとするなど、班ごとの特徴も現れ出しました。
 

◇情報収集

次に、各班は決定した“取り組む課題”のエビデンスとなるデータや資料、オープンデータを探すための情報収集に入ります。 会場には、各班に1台ずつ配布されたタブレット端末や、開催地自治体、参加自治体や東京都の事務報告書、統計資料、ウォーキングマップ等、手がかりとなりそうな資料が用意されています。各班、思い思いに、“情報収集”を行っていきます。 また、庄司氏からも、“人という資料の活用も是非”ということで、開催自治体や参加自治体、東京都の職員への参加者による積極的な質問も促されました。